子どもが独立した後の暮らしは、少し寂しいようで、実はとても自由な時間でもあります。
親としての役割から解放されつつも、家族とのつながりは続いていく。
その「ちょうどいい距離感」が、今の私には心地よく感じられます。
娘との距離感
離婚後、娘が結婚するまで、小さなアパートでふたりでの生活が続きました。
高校生活、大学受験、国家試験、就職――そのすべてを、お互いの友人に支えられながら乗り越えてきた日々。振り返れば、笑いの多い宝物のような時間でした。
「支えているつもりが、いつの間にか支えられていた」
そんな気づきを与えてくれたのも、この頃の娘との暮らしです。
今は「スープの冷めない距離」に暮らしていて、育休中の娘が孫を連れて訪ねてくれるのが何よりの楽しみ。
婿さんも気さくで気兼ねのない人柄で、私たち親と同じように娘を大切にしてくれていることに、心から感謝しています。
息子との距離感
高校を卒業すると同時に東京へ出た息子。
ひとり暮らしをしながら学校に通う中で、私たちの離婚を聞かされ、きっと相当なショックを受けたはずです。
その後、妹(娘)と連絡を取り合い、
「ふたりが決めたことなら最善のはず」
と兄妹で気持ちを確かめ合ったと知ったのは、数年後のことでした。
今は地元に戻り、会社員として働きながら、多趣味な日々を過ごしています。
それでも時折、重い荷物を運んでくれたり、一緒にご飯を食べたり。
声をかければ、いやな顔ひとつせず応じてくれる。
そんな距離感が、今の私にはとてもありがたく、心強く感じられます。
家族の関係
元夫とも、子どもや孫の行事を通じてやり取りがあります。
昔のように一緒に暮らす関係ではないけれど、必要なときに自然と集まり、力を合わせる。
それぞれの暮らしを大事にしながらも、ベタベタせず、でもちゃんとまとまっている。
そんな家族の雰囲気を、私は気に入っています。
おわりに
子どもが巣立ったあとの暮らしは、親としての役目を終えた「静かな時間」でもあり、
家族との新しい関わり方を見つける時期でもあります。
距離を大切にしながら、それぞれの人生を応援し合える。
そんな今の関係を、これからも温めていきたいと思っています。



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